空海の宇宙観その6 すべては響きを持っている
五大に皆響きあり
ごだいにみなひびきあり。
と読みます。
これは、『声字実相義』しょうじじっそうぎ、という空海の著作に出て来る大きな命題です。
五大とは、物質・生物・自然・エネルギー・感覚など、この宇宙にあるすべての存在のことです。
それが皆、響きを持っている。
響きとは、そのままの意味でとっていいと思います。
響き、振動、そして波動。。
『声字実相義』という著作は、五大に皆響きがある、ということを大命題として、
声(音声)、字(文字、言葉)そのものが大いなる存在と同一である、ということを説明している本です。
私は、この 響き
がそのまま、量子物理学的にいう原子の揺らぎ(原子の核の周りを飛び交っている電子)や、波長を持っているということや、物質がエネルギーであるということを表している、
と考えています。
1200年前に暮らしていた空海が、
すべての存在に振動がある、と見ていたということの大きさ。
1200年前の空海が見えたものに、
1200年後の現代の科学の一部が、やっとそれを証明するのに追いつき始めたのではないか、
と私は思っております。。
五大に皆響きあり (すべてのものやことがらには響きがある)
十界に言語を具す (どんな境地の人の心にも言語、音が備わっている)
六塵悉く文字なり (どんな感覚的なことがらも文字、言語などと同じなのである)
法身はこれ実相なり(真理そのものはそうやって実際に姿を表している)
訳:満ちる
文: 満ちる