気分を、上げすぎず下げすぎず
空海を1日お休みして、毎日の気分の持ち方についての話をしようと思います。
中庸(ちゅうよう)、という言葉があります。
どちらにも片寄らない、真ん中あたりということです。
空海の教えに基づくと、
人の気分や感情は、生じた瞬間そのままのもの・状態では特に善悪があるものではありません。
プラスな感情と思うもののみならず、嫌悪、恐怖、蔑み・・といったマイナスと思う様な感情も含めて、すべてです。
生まれた瞬間のそうした感情・気持ちは、
外からの刺激に対してその人が起こした「反応」に過ぎません。
それに善悪の意味付けをするのは、あくまで後付けです。
(それぞれの状況や環境、人、更に時代や場所でもそうした善悪の価値観は異なるものであり、絶対的なものではありませんね。)
善悪の判定が付くのは後付けであり、またその感情に基づき更に生じた行動や言葉、だったりします。
とはいえ、自分に生まれたこうした感情に対して、
こんな事を思うなんて...!と感じたりはする事でしょう。
自分に生じた感情、その「生じた」事自体を悪く思う必要は本来無く、
生じた感情は、「今こうした感情が生まれたな」という事を確認したら、その都度手放せばいいのです。
ここでポイントなのは、
手放すべきなのは悪いなと感じた感情だけではないということです。
好ましいと思った感情も、手放すべきだということなのです。
どちらか、つまり気分が明らかに上がった状態でも下がった状態でも、
人は落ち着いて物事を考えたり対処することが出来るでしょうか?
また、手放すのは、忘れるということではありません。
その感情の中に自分をどっぷり浸からせたままにはしない、
ということです。
一旦浸かってもいいのです。
また浸かることがあってもいい、でもそこからその都度出ましょうよ、ということです。
そうする事を繰り返してくると、極端な感情に振り回されない自分が作られ、客観的な視点を持てる様になっていくのではないでしょうか。。
まずは自分が今上がり気味なのか下がり気味なのか、観察して
自分なりの「真ん中」「ニュートラル」を意識する様になると良いと思います。
文:満ちる