空海の宇宙観その8 自分の中にある無限の智慧
その2。
あらゆるものと人は、あるがままで、あらゆる事を知る智を備えている。
自らの中にある、深遠な智慧。
そこと繋がるということは、『即身成仏義』という本の主題、
即身で成仏出来る、つまり、この身このままで今成仏出来る、ということでもあります。
(空海は、成仏や心・魂の成長においての身体の重要性を引き上げた、もしくはあらためて
重要性を人々に認識させたと思います。)
本来人間に備わっている、すべてのことを知ることの出来る智慧。
それと繋がる為には、空海はある修行をきちんとした指導者の元で行わなければならない、
と書いています。
確かにそれはそうなのかも知れません。
しかし私は、空海の、また仏教の枠の中(仏教も色々ですので)で挙げられている修行法でなければならない、
ということは全くない、と思っています。
古今東西、それぞれの時代、様々な地域、宗教などで
同様にそうしたことに繋がる方法が試されて来ました。
瞑想、座禅、音楽、ダンス、ヨガ、マインドフルネス。。
人によって、
何かに気付いていく順番もタイミングもきっかけも方法も異なります。
これでなければならない、ということはありません。
しかしどの例にも共通していて既に人体に有用だという科学的根拠もあるのは、
「深い呼吸」ではないでしょうか。
まず呼吸を意識して整える。
それによって、心と身体の繋がりが深くなる。
次回、深呼吸のメカニズムを更に見ていきたいと思います。
文: 満ちる