銀河に浮かぶ

<いま、生きる> という事を考え、日常を過ごす

空海の宇宙観 曼陀羅

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空海が中国からもたらした、両部曼陀羅図というのがあります。

二枚の曼陀羅図ですが、それぞれ

 

胎蔵界曼陀羅(宇宙図)たいぞうかいまんだら

金剛界曼陀羅(人の心・魂の成長の段階の図示)こんごうかいまんだら

 

となります。

この二図を関連付けたのは、日本では空海が初めてだと言われます。

 

この二図は、空海の宇宙観を図で表したものであり、

またこの二図は、どちらもこの宇宙観を

色々な方向から見て表したもの、と言えるでしょう。

宇宙観はひとつ。

けれど、見方で異なるということになります。

 

 

胎蔵界曼陀羅は、すべての存在を点としてみて、そのそれぞれ・そしてそのすべてが仏と同じである、

ということを表しています。

それぞれの点とは、人であり生き物であり自然現象であり様々な物質であり。。

 

そして

金剛界曼陀羅は、魂の成長段階を表しているのですが、

そのどの段階も仏として表されています。

 

 

 

また、胎蔵界は利他を表し、

金剛界は自らの修行、段階を表すとされます。

利他とは、自分以外の存在の為を思ってする行い。

それと自らを高めていく段階は、一緒でありながらも別、

別でありながらも一緒、

といったところでしょうか。

(果たして伝わるのでしょうか〜汗)

 

空海は実際、

人生の終盤までは利他を中心とした生活をして、

最晩年は金剛界に徹した生活をしました。

 

空海の宇宙観が段々わかって来てこの曼陀羅図を見ると、

なるほど、と思いますし、胸に来ます。

自分の内部だけ高めようとするのではなく、

自分以外の存在の為に動くべきだということ。

 

皆さんはどうお感じになりますでしょうか。

 

          文: 満ちる